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東京のセキュリティー

 

次は東京のセキュリティー問題です。東京に高度な中枢管理機能が、ナショナル・ワイドに加えて、インターナショナルワイドで集中しています。このことは光が輝く面と逆に影になる面とを併せもつことになります。そこで、国際都市のセキュリティーはどうなるか。東京都市圏のみの実証データまで作成する時間がなかったが、日本全体の外国人の犯罪者が何人かを〔表11-2〕でみてみたい。1990年、バブルのピーク時は1万8,000件であったが、8年後の1998年には4万4,000件と、2.5倍になっています。ものすごく急増しています。何が急増しているかというと、日本の場合、凶悪犯罪の殺人、強盗、強姦、放火が31.9%増となっている。そのうち強盗が2.5倍、強姦が2.9倍というふうに、第1にどうも外国人の犯罪が増えているのが特に注目すべきだと思います。

第2が、窃盗罪。これが9,000件から2万7,000件に約3倍に増えている。金庫が2、3分以内にあけられるとか、持ちだされるという事件が多発しています。第3は特別法犯が74.9%増と急増しています。麻薬、大麻等々が2.1倍ですから、1つは凶悪犯罪、もう1つは窃盗、3つ目は銃砲を含めて、麻薬等々の犯罪とが非常に増えている。

では、一体どういう国の人間が犯罪を犯しているのか。罪種別・国籍別検挙者数というマトリックス表でみると、アジア人が全部で3万7,600人ですから、アジア人のシェアは85.5%と非常に高い。石原知事が第三国人の犯罪が多いと言ったのは、この現象をソフトに表現したものです。

「第三国人」という言葉は太平洋戦争直後に進駐軍が大量に在留したために、第一が日本人で、第二がアメリカ人で、第三国人がその他というジャーナリスト用語であった。そこで、「第三国人の犯罪」といったソフトな言い方ではなく、具体的国籍ベースで言ったらいいのではないかということですと、犯罪人が一番多いのは韓国・北朝鮮で1万3,600人、30.9%、そのうち窃盗罪が7,600人、加えて特別法の麻薬等の犯罪者が非常に多い。中国が1万2,000人で27.3%です。したがって中国と朝鮮半島の国籍の犯罪人で58.2%に達しています。ということは、中国・朝鮮半島の一部の人たちが日本の法的秩序を乱しているということです。

ところで、犯罪の種別を見てますと、ベトナムは貧しいために窃盗の罪が圧倒的に多いわけですが、中国人と韓国・北朝鮮人は窃盗犯と特別犯が多い。特別犯とは麻薬関係を中心とした犯罪です。イラン、フィリピンは麻薬関係が圧倒的。そして、南北アメリカでは、来日したブラジル人の一部の人達が窃盗を働いている。犯罪の種別シェアを見ますと、窃盗罪が6割、特別法犯が約3割に達しているのですから、セキュリティーの確保をしっかりとやる必要があります。「第三国人」という言葉であげ足をとってセキュリティー問題をおろそかにするようなことがあってはなりません。法秩序の維持が大切な時代に今、日本が移行しているという現実に顔をそむけてはならないのです。

 

東京も超高齢社会

 

次に、〔表12〕で東京都市圏の年齢構造を見ますと、2000年現在で65歳以上の人が480万人おります。ところが、2025年になると850万人になるわけですからこの4分の1世紀で380万人も増えるわけです。

ところで、この時期に日本列島では80歳以上の超高齢者は1,270万人になる。とすれば、東京だけがその例外ではあり得ない。これを一体どうするのか。では、県単位で見るならば、東京都は98万人、神奈川が75万人、埼玉が64万人、千葉が56万人、それぞれ増えていく。こういう超高齢化社会への対応をどうするのだろうかという問題が残されているわけです。

 

公共投資で共同溝の建設

 

次に、5つの提案に移ってまいりたい。第1は、公共投資で「共同溝」の建設をやるべきではないか。今までは民間投資ベースで実行してゆかなければなりませんでしたが、これを「新しい方式の公共投資」でやるべきだと考えます。

 

 

 

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