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だから、昔は虎の皮など、動物の皮を援用していた。移植じゃないけどね。今、ウェアラブルというのは普通の洋服に情報機器をいろいろ入れていこうとすることです。やっているとわかりますが、面倒くさいわけです。初めからうまくできていたほうがいい。iモードがないときにつくった服だから合うはずがない。それを無理に合わそうとして苦心している。iモードから発想したらどうなるか。ところが、去年まではiモードがなかったから、ノートブックの小さいやつ、タウントップぐらいをどう使うか一生懸命やっていた。これは全員、iモードを通るから。まずiモードで片手があく。その次に両手が使えるようなウェアラブルに行くだろう。メールはiモードでできてしまうから、こんな大きいものを持って歩かなくていい。それが去年と今年で重さが10分の1になりました。もっと先へ行くと、さっきのES細胞でつくったバイオ的な材質の何とか、もともと虎の皮か何か着ておったんだからプロテイン(たんぱく質)なんです。

 

日下 衣類がブランド化したものもバーチャル化したということなんでしょう。

 

石井 そうです。オーギュメンテッドリアリティーだ。わざわざリアリティーを変えたわけです。それはキツネにごまかされるのと同じ。ブランドというのはありがたいところはありがたい。ある予測によると来年、日本はiモードを入れた、よその会社も入れてトータルのインターネットユーザーの人口普及率でアメリカを抜くぐらいだって。今まではこんな遅れてやって、そこを除くと確かにさっきのパソコンでアメリカ型で、それを盛んに言っている人が今はいくらでもいます。あなたはiモードをやっていますかと言うと大体やっていない。それは無理ないんです、まだ半年かそこら辺だから。

 

尾島 日本の国内でそういうマーケットが普及して、そのシステムが世界に出ていく。その結果、世界から富が日本に入る。

 

石井 いや、それは激烈な国際摩擦が起こるだろう。むざむざおいしいところ全部、日本にあげますなんていう人のいい国はない。だから、多分、ドコモは出ていかざるを得ないだろうし、出ていったら自動車のとき以上に大問題が起こるだろう。どこかへ振らんといかんだろうということは言われている。

 

古川 iモードで爆発的に増えそうなのは個人のeコマースですね。

 

石井 そう、個人。一番安いからです。

 

古川 切符の予約はするし、何でもできる。

 

石井 1回コンマ3円だったら使わない方が損だと思うもの。

 

古川 飛行機の切符なんか、ANAが先方払いのカードをくれているでしょう。

 

石井 ええ、それで電話ではなくて、JALで思い出したけれども、あれは20%安い。そうしたら、若い人はみんな会員になってしまうよ。

 

菊竹 どうしてそんなに安いんですか。

 

古川 人手が要らないから。

 

石井 ぎりぎりまで売れるから。

 

古川 私は上京前に、普通のパソコンでぱっぱとインターネットを見て買います。

 

石井 普通のパソコンだと、そこにいないとできないでしょう。これだとどこでもできる。だから、若い人が出張なんて行ったら、みんなタクシーの中でやっている。

 

古川 例えば、特割1万円というのもすぐ買えます。

 

石井 最近は席もとれるんじゃない。席が指定できて安くて。それで並ばなくていいなんて、それを何でやらないのという感じだ。

 

尾島 最近は大学からお金をいただくといっても、搭乗券を全部見せなきゃいけないんです。飛行機の金額が全部違う。出張費が半分ぐらい安くなったりするでしょう。領収書がわりに搭乗券の値段を出さないといけない。

 

石井 マーケットの中で一定だと考えていたのがおかしかった。統制経済だ。

 

尾島 でも、煩わしいですね、あの手続きが。

 

石井 煩わしいところもこれに合わせていかなきゃ、やった途端に全部できていないとね。

 

古川 それを会社の請求書に入力すればいいんです。

 

尾島 大学は旧態依然としていますね。そうすると秘書がものすごい大変なんです。

 

石井 そういう大学は競争で淘汰されるだけです。好きだったら、それをやっていればいい。でも、そうじゃないところが出てきます。そうしたら、そこのほうがコスト削減で安くなってしまう。

 

 

 

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