石井 エシュランというんです。それはアメリカンカルチャーで、たくさんのやつがいろいろ勝手なことを言っていたら、どれが大事かなかなかわからない。
日下 スーパーコンピューターが進歩したから、キーワードを3つ入れておけば全部拾ってきて大体分かってしまう。
石井 それは逃げようと思えばわけないわけ。逃げようと思ったら、こんなものはすぐできる。偽名を使えるし。虚々実々なんです。今までのアメリカンカルチャーだと人は座っている。だから、逃げられない。だから、今のようなことができるという前提なんだが、モバイルは全然違う。消耗品になったらどんどん捨てていけばいい。割りばし文化です。
日下 でも、それはインターネットを使うでしょう。
石井 もちろん。だから、今、インターネットでも1人で幾つも持っています。1個しか持っていないというのはないです。
日下 つまり、相手は油断しているという前提でとれるわけだ。
石井 そう。まじめなやつで、ごく初期の状況だったという前提で。今の進化した状況では、むしろアタックされるときにアタックされているほうがガードするとかさかのぼっていく。これはできます。が、一般的に、コスト的に言ってもできないし、対応しようと思ったらわけない。
キーワードが3つそろえばAI
日下 ワシントンで日本大使館とか会議場の周りの公衆電話を全部盗聴したんだってね。
石井 ええ。公衆電話はこれだったから。だから、今、モバイルのセキュリティは大問題なんです。おそらく日本が一番初めに、それでいいことも悪いこともいろいろ起こるだろう。逆にいいこともあるんです。今の場合だってセキュリティ上のモニターをやるときに座ってやっているじゃない。大変なんだ、朝から晩まで石井威望を探そうと思ったってできません。これが出てくるとどうなるか。やっているパソコンはあるんだが、これを持っているやつはそこで見つかったときに電話してくれればいいんだ。そういうシステムに変わって普通の生活をしている。普通になってくるわけです。今までは前提としてじっと座って見ていた。短い間はできるけれども、朝から晩までトイレも行けないなんて、それは問題外です。そうすると、もう一人つけておかないといけなくなるわけです。持っていれば、おかしなときはここへ電話がかかってくるわけです。
尾島 秘書のほうでかなりフィルターをかけているわけですね。
石井 秘書でなくてもプログラムがある。例えばキーワードが3つそろったときには、まさにAI(人工知能)です。大体のおかしい状況とか、そういうものが引っかけられるとか、それからここへ簡単な絵を出してもらってもいいんです。よく出していますけれども、時々見ている。ある命令文が出たとき、これはおかしいというのがあるんです。こんなものは普通使わないのになぜ使っているんだろう。そんなものが出たら、1秒後にわかればすぐ止められる。早くわかればいいんです。だから、トイレに行っていても来たらすぐに通信すればいいんです。そういうときに大体起こるんだ。風呂へ入っているとか。そこの1秒。これがいつも立ち上がっているというのがものすごく大事なんです。それで、バックアップがないといかん。今のはプロの話だから、ガードの方は金をもらえるわけです。個人がやるときは趣味でないとできない。
尾島 先生がそんなことをやっているのは趣味ですか、仕事なんですか、研究なんですか。
石井 ちゃんと学会もあります。若いのは30代でしょう、その辺がやっています。
尾島 でも、先生はいつも新しいのを持っておられますね。
石井 そういうやつが売りつけに来るわけ、買わされているんだ。
尾島 それを買ってあげながらテストして、これは使えそうだと。
石井 テストするというか、僕の場合は世の中にPRするという役目も持っている。尾島先生がおもしろがっていたというのは一つの情報だから。