きょう、僕もこうやって置いているのは、メールがどんどん入ってくるわけです。そのメールをこうやって見ている。返信を皆さんの前でやるのは失礼だからシステムがつくってあって、大体イエス・ノーか、3つか4つのセンテンスを選んで送っているだけなんです。だから、電話ではないのです、データ通信をやっている。
それが1回コンマ3円だから、ばかみたいな金でやっているわけです。コストパフォーマンスを考えたらやったほうが絶対得です。また、一回入るとこれは抜けられない。今、新入社員を調べたら100%やっています。一般の生活のほうからビジネスヘの影響、あるいはバイヤーとして彼らが入ってきますから、彼らのニーズにどう対応するかという形で、企業は変わらざるを得ないようなところへ今は来ているんのではないかと思います。
空母が主力兵器になった
三井物産の寺島実郎さんとこの間、軽井沢で一緒に話した会合で、空母の話がありました。太平洋戦争が始まったときに航空兵力が出てくる、例えば零戦。あれは5年ぐらいで全く変わりましたから、ちょっと前は複葉機でぷろぷろ飛んでいたわけです。みんなそれを見ていて、オール金属製で世界最速の戦闘機が出てくるなんて、極秘にしていたこともあるけれども、ほとんどわからなかった。それを見た参謀たちも意味がわからないわけです。今で言えばステルス戦闘機です。ステルス戦闘機は、航空兵力のたった3%だったのです。ところが、戦果の45%を上げている。しかも、一機も撃墜されていない。レーダーで大きな戦闘機がハトぐらいにしか映らないのだから捕捉しようがないわけです。そういうことが起こってしまったのです。
だから、あれから航空戦というのは完全にステルス抜きでは考えられなくなりました。空母なんかに対しても当時は零戦がステルスみたいな感じだったんです。一人勝ちしている。それをどう使うかということがわからなかった。最後には爆弾をもって敵に体当たりしたでしょう。大きな大砲だと考えればよかったんです。遠くから何百キロも飛ぶ大砲で、しかも非常に命中率がいい。今で言えば人が乗っているミサイルです。空母には戦艦をつくる技術が必要だった。戦艦の上には飛行機が着艦できませんから飛行甲板が必要だった。だから、造船技術とかエンジンの技術とかいっぱい、船の技術は必要だったんです、空母をつくるために。ところが、戦艦の連中というより、責任が一番あるトップがわからなかったんです。結局、空母に対するあれがわからなかったんだけれども、あるとき当然わかるわけです。今、空母が初めて本格的主力兵器だというのがわかり出した段階かもしれないということをこの間、寺島さんの前で軽井沢で講演したんです。
バーチャルリアリティーをリアリティーに
ともかく都市も空母だと考えると、戦闘機というか、要するに今は茶髪でこんなことを盛んにやっているやつが出だしたわけです。初めは過小評価していたんだけれども、何千万人になってきたら無視できないでしょう。これを無視して論じるとおかしい、虚構です、バーチャルリアリティーになってしまう。だから、これからはバーチャルリアリティーをリアリティーとどう結びつけて空母をつくるかという話です。そこが都市論に抜けている。例えば、ビーナスフォートなんかを考えるでしょう。どっと人が来ましたね。ところが、あれをつくったのは2年前だからiモードがなかったんです。今、iモードを使っている人達は何千万人ということだから、特に若い子を考えたらパーセンテージがものすごく高い。携帯は全員持っている、かなりの人がiモードを持っている。
ゲノムになるとハードウェアにITが結びついている。だから、一般にはバーチャルリアリティーと、最近はオーギュメンテッドリアリティー、リアリティーとバーチャルが一緒になったものがどんどん出てきているわけです。例えば、カーナビなんかもそうなんです。リアリティーだけではだめなんです。バーチャルだけでもだめ。オーギュメンテッドリアリティー、ARにならなければだめなんだけれども、それをどういうふうにしてうまく一緒にするかというのがポイントです。