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世界都市東京フォーラム「技術からの考案」会議録

 事業名 基盤整備
 団体名 東京財団政策研究所 注目度注目度5


だが根はそんな簡単なものじゃないんです。保存するとか何とかという話じゃなく、相続税で国はごっそり取る。遺産の相続は子供に均等にみんないっちゃうんです。だから消滅しちゃう。長男がそれを引きつげるのかと思っていたら、そうじゃない。ですから、どの家庭でもみんな論争が起こって、それで結局換金して、区分する。

 

佐貫 民法900条1項、2項、3項、4項に相続のシステムが出ているんですが、結局、均分相続が原則なんです。だから僕はそれはやめて、逆に扶養者相続の原則、例えば全体の半分とか、それはおやじ、おふくろを面倒見た人に渡すというように法的に定めたらどうかと言ったら、仙台高等裁判所の長官をやった人が、それはやっぱり憲法24条にひっかかるというんです。

それで、自民党代議士の加藤紘一君に、これ、検討しろと言ったら、「いや、先生、そんなこと言うけど、それは憲法を改正しなければならないかもしれませんよ」と、こう言ったんです。どうなんだって言ったら、わからないから専門家に聞いてくれというから、それで仙台高等裁判所の長官をやった人に聞いたんです。そうしたら、それは憲法24条を改正しなければだめだと。

だから、憲法というと必ず軍隊の問題ばかり言っているけど、とんでもない話なんです。そうすると、全体が均分相続なるがゆえに、家が全部細切れになる。

具体的に言いましょう。軽井沢の僕の家のすぐそばに、2,000坪ぐらいの土地があったんです。そうしたら、持主の東海銀行の重役だった人が死んだ。相続人は5人です。そうしたら、全部それを細かく切って分譲。一番安いところは坪10万円。道路に面しているからです。その裏のほうで12万円。分譲するとどういうことが起きるかといいますと、2,000坪の森がだめになる。後藤新平さんのお孫さんで、旭化成の重役をやっている人が、3万坪の森を持っている。死んだら、もうとたんに細切れになって全部分譲住宅になる。そうすると緑が減ってしまう。

 

菊竹 環境問題という点で考えると、日本の税制は、緑をつぶす制度になっていないか。そういうことをコンピューターで計算できるようになってきたわけです。うちの事務所の若い連中が、一体どっちを選択したらいいかと考え込んでいる。先輩が一生懸命貯めて、マンションを買いローンを払って結局、地価が下がったりして、国家に全部資金を吸い上げられている。そのうえ、さらにこれから10何年払い続けなければいけない。これは、国の住宅政策が何か間違っているんじゃないかという議論を始めているんです。

 

佐貫 しかも、マンションだと売って買いかえないと変われないでしょう。

 

菊竹 それが、地価が下がっていますから資産の価値がなくなっているんです。目減りすると具合悪い。

 

佐貫 それと、今の60代以上ぐらいの人はほとんど持ち家など資産を持っている。その後継ぎの息子さんはおやじが死ねばその家に入れるわけでしょう。女の子が1人だと嫁に出すでしょう。相手の家はおやじが死ねばそこに住めるわけでしょう。

ところが問題は、300坪とか200坪の上に立っている家は金額が大きくて相続税が払えない。だから物納するんです。僕の住んでいる隣の家ですが、平屋と3階建ての住宅を、2棟くっつけているんですが、子供さんは2人なんです。一方の家は相続を受けている。もう一方の家は相続税が払えないから物納した。

 

菊竹 都市計画を決めている法律とか、建築基準法などは、もう細則ばっかりが雪だるまみたいに膨らんでいて、根本の市民の環境を守るという話につながっていない。不動産屋の片棒をかついで、市民を浮浪者にしている。

 

佐貫 基本を何か変えるとすれば、持ち家にしないですむような法律、例えば、借地借家法。これはやっぱり改正しなければならない。それがあるからリースマンションをあまりつくらない。

 

菊竹 フランスの集合住宅の計画で、国が土地を取得して、あとの計画についてはディベロッパーに集合住宅をつくらせるんです。そこに入居するには、その資格と同時に一緒に5戸買えというんです。1戸に自分が住んで、あとの4戸は賃貸で生活が保障される。だから、案外ドラスチックに変わっていくような計画でも、居住の永続性の仕組みをかなり細かくやっているようなんです。

 

 

 

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