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牧野 まだまだ尽きないんですが、もう20分も押してきました。

11回続けてきたフォーラムそのものはこれで終了です。毎回の会議録が順次発刊されますので、ご興味のある方は是非ご覧ください。

私は、今後息長く、日本の「マンガ」を研究し、著作権について語利り会う。マンガの社会的影響について調査する。―それを特定の人のみが研究するのではなくて、次々と大勢の学生たちが引き継いでいって、結果として大きな成果を上げていくというようなシステムをつくりたいと考えています。今年の7月28日に「マンガ学会」と一緒にその器でもある「マンガ文化研究所」を立ちあげます。このフォーラムの成果は、その研究所でも貴重な資料として受け継がれていくだろうと考えております。

東京財団としてもこれでおしまいというのではなくて、この成果を踏まえて更に、日本のポップカルチャーについて発展的な議論を続け、具体的な事業展開もなさると思います。それについて、フォーラムの仕掛け人の日下さんに最後のまとめと抱負を語っていただき、終わりにしたいと思います。よろしくお願いいたします。

 

日下 皆さん本当にありがとうございました。今後も是非続けていきたいと思います。それだけの価値があるテーマだと思っております。これまで続けて参りまして、たくさんの人がこの分野の問題に関わっていることを知りまして、大変心強く思っております。

去年の春にイギリスの「エコノミスト」という雑誌が、ドルで揺さぶられてからアジアのビジネスマンは皆アメリカを見るようになった、しかし若者はみんな日本を見ている。そんな記事がありました。これはもう、日本の外交、防衛、ひいては産業上の利益にも大きなプラスであろろと書いてあるんですね。同じ頃、アメリカの「ビジネスウィーク」は、同じ現象ついて日本に産業上の利益があるということだけを書いたんです。日本の国境の外に日本精神が広がっていると書いたのはイギリスで、アメリカの「ビジネスウィーク」はそう書かなかった。

私は、イギリスがそう書いたのは、教養の奥底にヘーゲルがあるからだと思います。

 

 

 

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