1830年ごろ、ベルリン大学でヘーゲルは人気絶頂の教授で、彼が「ガイストから見た世界史」という講演をしたんです。これは岩波文庫から本になっております。その中に書いてあることは、ギリシャというのは国境の外にギリシャ精神圏を持っていた、心の中はギリシャ人と同じだという人間が国境の外にたくさんいた。ローマもそうなんだということです。若干偏った教養ではありますが、1830年だからしようがない部分もあります。
これに照らして考えれば、今や日本の国境の外側には日本シンパ、あるいは、生活様式とか物の考え方が日本風になった若者、子供がたくさんいるわけです。「エコノミスト」は「アジアには」と書いたけれども、ヨーロッパにだってアメリカにだって日本びいきの若者はたくさんいるはずです。
いま現にあるこういった現象は、日本が意図して行なったことではないのですが、日本としても大きな問題、それから、世界の人にとっても重要な問題だろうと思っております。今後ますますこれについて考えて、我々自身のコンセプトをつくりたい、フィロソフィーをつくりたいと思っております。皆様今後ともよろしくお願いいたします。どうもありがとうございました。(拍手)
野崎 これで全11回を終了させていただきます。本日のパネリストの皆様本当にありがとうございました。過去のパネリストの皆様にも併せてお礼申しあげたいと思います。
それから、これまでこのフォーラムにご参加いただきましたお客様、これから平成13年度、14年度と、この分野のアクションプランを策定するうえで、皆様のご協力が必要ですので、引き続きお引き立ていただきますようにお願いいたします。どうもありがとうございました。(拍手)
(了)