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ジャパニメーションというくくり方は、ちょっと不思議なくくり方なのかもしれません。本来の姿を正確に伝えてはいないのかもしれません。本当は日本のスタジオあるいは日本の製作者たちの間にもいろいろな違うスタイルとか特徴があるんでしょうから。また、アニメーションを教えている学校によっても、ひょっとしたら生徒たちがつくっているアニメーションというのは違うのかもしれない。ですから、一くくりにしていいかどうかというのは難しいところかもしれません。

それから、マンガのダイナミズムなどについてもおっしゃっていましたが、今やいろいろなカットあるいはズームインといった効果を持つシネマティック技術がマンガ文化の中にもどんどん取り入れられています。映画などでそういった技術に接した人が、マンガの中で使われてる技術を理解できるようになっているわけですね。反対に、例えば何話もあるマンガについて何話も見ていく中で、それが例えば映画化あるいはフィルム化されたときにつながりを感じられるということもあるでしょう。「スーパーフラット」も同様だと思います。二次元ではあるんですが、その中に三次元のおもしろさというのを見つける人もいるでしょう。

 

牧野 ピカチュウのような作品は特異なものであるか、それから、「ジャパニメーション」というようなくくりのアニメーションの概念に何か特徴があるのかないのか、久保さんの御意見もぜひお聞きしたいと思います。

実は今まで各パネラーに皆さん同じような質問をしてまいりました。日本独特であるとか、いや、そうじゃないんだというご意見の両方がありました。「極東に位置する日本列島は世界じゅうの文化の吹きだまりであって、さまざまな異種の文化が流れ入ってきた。それを「日本」は茶道とか華道とか柔道というような、【道】にまで精錬し、自家薬篭中のものとしてしまう―そんな特性を持っているんだ―というご意見の方もいらっしゃいました。

 

 

 

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