牧野 久保さんどうですか、小学館でそういうアメリカのようなシステムを実行できますか。
久保 そうですね、政府に頼らないということでもないと思うんですが。
個人で守れるかというと、法律がないことには個人で守る道はないんですね。その法律がないということを僕は言ってるのであって、政府に頼りたいということではないんです。法律をつくってくれという意味なんです。ですから、アメリカと日本は全く環境が違う。ディズニーが訴訟関係に使っている費用はものすごい金額でしょう。
ポケモンも訴訟がいっぱいあるわけですが、法廷費用はアメリカだけで約20億円かかっていると思います。つまり、弁護士を雇っている費用が1年間に約20億円出ていくわけです。普通、企業はそれをコストと見ます。これはどういうことかというと、20億円払えない人はアメリカでこのビジネスをやっちゃいけないんですね。そこまで来てるんです。
20億円払える会社が日本に幾つあるかというと、たまたま私たちは任天堂さんと一緒にビジネスをしたのでそれができました。しかし、それ以外の会社が果たしてできるでしょうか。私はできないと思います。20億円払えるならこのビジネスをしましょう、ということなんだと思います。ディズニーはそれができるし、任天堂はそれができる。それ以外の会社はどこができるんでしょうか、教えていただければ僕はすぐにでも商談に行きたいと思います。
牧野 野崎さん、ご質問があればどうぞ。
野崎 日米というのはエンターテインメントを生み出す、消費する、両方の面で2大大国なわけです。世界で数億人の人々が楽しむ。ものすごい影響力があるわけですね。そういうことを考えると、これから両国はどういう協力をしたらいいのか。何ができて、何ができないのか、という将来のことをお聞かせいただきたいのが1点。