牧野 先ほど久保さんから具体的なご提案がありましたが、目の前にいらっしゃる日下さんは、久保さんのお願いをお聞きになってどのようにお考えでしょうか。
日下 頼まれたことはやりますが、自分からということはありません。久保さんがなってもいいと思うし、牧野さんがなってもいい。応援いたします。
牧野 アメリカではこういう権利関係というものが非常に明確に話題にのぼる国だという認識を私は持っているんですが、日本の場合は、さっき言われたように、「サザエさん」と「バカボン」が一緒になってたり、いろいろなキャラクターが合成されて売られている場面を見ても、何となく、まあいいじゃないか、事を荒立てるなよ、というような判断で事が解決されてきたような歴史と風土があります。こういった法律に対して国の態度、日本と比べてアメリカの政治家、立法府の対応に関し、リチャードさんのご見解をお聞かせ下さい。
リチャード アメリカでは、著作権の保護は著作権を持っている人間の責任だと考えられています。ですから、著作権の保護に対して非常に力を入れているディズニーでは、例えば誰かが違法にミッキーマウスを作ったら、ディズニーの弁護士が30分後に飛んでいって著作権を守るという対応をとります。ですから、政府が何かをしてくれるというわけではなく、著作権を持っている会社、担当の人間が逐一目を光らせていて、何かあったらすぐ飛んでいくという体制ができあがっています。これでかなり状況が改善されているのではないかと思います。