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牧野 私のように素人の目から見ても、法律家が社会の実勢に追いついていないのではないかと思います。久保さん、ピカチュウというのは形だけではなくて、ピカピカ点滅する点もピカチュウの特徴ですよね。また、ドラえもんという猫型ロボットは、あの声でなければドラえもんではないというほど強烈な音のイメージ、声のイメージというものを伴っているわけです。つまり、キャラクターは絵と動きや声というものが一緒になって1つの個性を認められ著作権を発生する、権利を発生するというようなことがこれから課題になると思うんです。久保さんのお立場からは、どんな人がこの問題に係わったらいい、どんな法整備ができたらいい、とお考えになりますか。

 

久保 答えになるかどうかわかりませんが、実は来年の2月に東京都は東京都アニメフェスティバルというイベントを企画していまして、既に予算化されております。その下準備の打ち合わせ的なものを私はやっているわけなんですが、どうもお役所の仕事はストレスが多いように思います。

きょう日下さんにお願いしたかったことは、その準備委員会のメンバーを最終決定するのは石原都知事だそうですが、何とかそのメンバーに日下先生に入っていただけないかということです。お役所の中ではアニメーションを含めた権利関係について理解している方が本当に少ないです。石原さんが東京再生というテーマを掲げてこの仕事を始めようということで予算がついたわけですから、何とか成功するよう応援したい。そのためにも、できれば準備委員会の大切なポジションに日下さんに入ってもらいたいという希望を持っております。

何か1つの施策だけで解決するというのは僕は無理だと思うんです。東京都アニメフェスティバルが立ち上がって、そのまま石原さんが首相になればうまく行くかもしれない、という程度のものだと思うんですね。多分今の日本の政府ではほとんど解決不可能だろうというふうに僕は思っています。

 

 

 

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