このままでは中国化してしまう。テレビのスポンサーになってくれる企業も華僑資本ですから、テレビ番組も中国ものばかり。こういう状況を見まして、私は文部大臣に日本のアニメを流したらどうか。あるいは、日本のマンガ喫茶をヤンゴンの町につくらせてくれ、と提案したのです。検閲はするのかと尋ねると、いいえ何もしません、大歓迎です、との答え。しかも、翻訳しなくてもいい。日本語のままやってください。ミャンマー人は日本語を覚えたがっております、とまで言うわけです。そんな経緯で、昨年の12月2日から「赤胴鈴之助」をミャンマーで放送しております。土曜日の晩7時から7時半、一番いい時間です。ヤンゴンの町で子供たちが棒切れでチャンバラをするようになったとか、あるいは、「赤胴鈴之助」の歌を日本語で歌うようになったとか、いろいろな影響を聞いています。実際のところ、日本語のまま放送して、ミャンマー語の字幕をつけて放送しています。
次は、やはりミャンマーで「一休さん」の放映を予定しています。これについて、先方が中身を観ると、一休さんがガールフレンドの顔を見て顔を明らめるシーンがあるんですが、それが坊さんらしくないと言っているそうです。まあこれはそのうち解決するでしょう。
このように日本の作品を広める努力も当財団でやっております。
ところで、私が興味があるのは、あの「赤胴鈴之助」というストーリーから何を読み取るか、ミャンマーの人たちにどのようなストーリーリテラシーが備わっているか、あるいは、我々が当然と思って読んでいる読み取り方がまるで違うかもわからない、その辺をこれから注目していきたいと思っています。そういうこともここで教えていただければと思っています。
牧野 ありがとうございます。
リチャードさんがたくさんお話しくださった中で、最後に「スーパーフラット」という項がありました。これを取り上げられた理由をお話しいただけますか。