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そして、第三次産業というのは、流通、金融。これが今まで中心だったわけですが、それらも既に力がなくなった。結局、今話題になっているアニメなりマンガなりゲームソフト、そういうコンテンツで日本は生きていくしかないんだろう、そういう結論になりました。今年の正月の朝日新聞の1面の連載でそういう記事を書きました。

ただ、繰り返しになりますが、さっき久保さんがおっしゃったように、この分野は余りにも問題が多い。何よりの問題は政府なり政治家の問題意識の低さだと思います。新聞も読まない、本も読まない、テレビは水戸黄門しか見ない、こんな人が大臣をやってる国が「文化」で食っていけるのかどうか。そういう素朴な疑問はわきます。

ただ、一方で優秀な人材は伸びる分野に必ず集まるわけですから、そういう人間がこれから大きな市場をつくっていけば、今ほどの日本の繁栄はないかもしれないけれども、飢えずにさほど寒くない21世紀を過ごせるんじゃないか。そのためにも、その中心であるマンガ、アニメに頑張ってもらわなきゃいけないと思っているわけです。さっきのお2人のお話を伺って、この見方で間違いないと改めて実感しました。

 

牧野 これまで10回のフォーラムを重ねてきました。この間、第一線で活躍されているアニメ作家、評論家、研究者そして企業の方々に日本のアニメ・マンガを語っていただいたわけです。日下さんにも、ほとんどのフォーラムにご参加いただきました。今日も刺激的なお2人のお話がありました。これを加えて、これまで積み上げた議論の感想をお聞きしたいと思います。

 

日下 これまでいろいろな方のお話を聞いてますます自信が湧いてきました。私自身もいろいろと思いつくことが増えてきました。

この財団として自慢というか、新しい話をいたしますと、ミャンマーの国営テレビ局で日本のアニメを放送してもらうことになりました。

どういう経緯かと申しますと、現地を視察したところ、多くの国が関係を断ってるものですから、中国の影響が強い。

 

 

 

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