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結果として、ポケモンのデジタル映像というのは、日本におけるデジタル映像のトップリーダー、1位、2位、3位にはなっておりません。今説明したような状況があるために、ポケモンの映像というのは僕らが思っている以上になかなかデジタル化されていかないんです。

これは98年からつくりましたポケモンの映画におけるデジタル度合いをグラフにしたものです。98年「ミュウツーの逆襲」という第1作目の映画ですが、トータルで約95分ぐらいの作品だったんですが、日本で放送したときには10%ぐらいのデジタル化でした。これを海外に出すんですが、実は海外に出すときにいろいろなところを手直ししていまして、手直しされた結果として海外向けに出したこの「ミュウツーの逆襲」は大体15分ぐらいのデジタル映像が入っておりました。

99年、「ルギア爆誕」という映画をつくりましたが、これに至っては、国内向けにつくったもので大体18分程度、それから、海外に向けたもので大体23分ぐらいがデジタル化されております。

昨年公開しました「結晶塔の帝王」という映画。これに関しては約27〜28分がデジタル映像、海外向けは約30分ぐらいになっております。

いま製作中の、つまり、日本ではことしの夏公開、多分アメリカでは来年の正月以降になると思いますが、これについては40分ぐらいがデジタル映像ということですから、97分ぐらいの全体の尺の間に40分ぐらいという状況です。

それと、実際デジタル化をしないでいる理由が実はもう1つございます。それは、ポケモンのアニメ映像、つまり、セル画が持っている人の温かみを大切にしているということです。

「トイストーリー」はおもちゃですので喜怒哀楽の表情を出すことはできるわけですが、CGI、つまり、3Dのコンピューターグラフィックス映像では人の顔をきちんと描くことがなかなかできません。今年公開予定の「ファイナルファンタジー」が人間の顔をデジタル映像で起こしたものとしては最もお金のかかったものとだと理解しております。

 

 

 

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