日本財団 図書館


アメリカのナンバーワンおもちゃ会社のマテルはバンダイさんと総括契約を結んでおりますし、ナンバー2のハズブロはトミーさんと総括契約を持っています。そのため、日本とアメリカのおもちゃ会社の情報の行き来が非常にやりやすくなっておりまして、以前に比べて契約が容易という背景があると思います。

3番目に、アメリカの放送業界の編成です。例えばポケモンをやっていますワーナーブラザーズですが、ここはAOL、タイムワーナー、EMIグループというふうに呼ばれていまして、すごく大きなグループがコングロマリットを形成して放送局の背後にいるわけです。現在アメリカにはこのようなコングリマリットがいくつか存在しています。放送局もそのグループ内でいろいろなシナジーを出したいと考えており、異業種間での契約が昔ほど難しくないわけです。

かつて異業種間の契約というのは弁護士さんの稼ぐ場所だったわけですが、このようにグループになったおかげで契約が非常にやり易くなってきているということも背景の一つと言えます。

最後に、日米共同出資の作品も現れてきたという事があります。実際私も1本関係していますが、最近は韓国とアメリカという組み合わせも増えました。というのは、日本のアニメーションの制作現場と呼ばれているのが韓国、中国です。それだったら日本を飛ばして直接現場とやればいいという考えをアメリカ人が持つようになりました。そのため、アメリカの会社と韓国の会社の共同出資作品が出てまいりました。

 

ポケモンはそういう中で幸いにも今のところまだ先頭を切って走っているわけです。ピカチュウ自身いろいろな言葉に翻訳され、現在約61カ国で見ることができます。この数字はいまだにどんどん伸びております。というのは、アメリカ・ヨーロッパを優先しましたので、アジアに普及するのはこれからです。これからもポケモンはどんどん世界に広がっていくだろうと考えております。

昨年度展開した国々のマップです。ほとんどの大陸で必ず見ることができるようになっていまして、いま30分1本のポケモン番組をつくると約1億人の方が見ていると言われております。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION