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牧野 ウィーンでポケモンを学校にもってきてはいけないとか、それからフランスの子供たちが日本とアメリカのアニメばかり見ていて教会に行かない。文化侵略だと。こういうようなことが一方では起こる。地元の「タンタン」をもってきてはいけないなどということはどうですか?起こっていないですか。

 

小野 だって、タンタンは何かケチをつけるところ何もないでしょう。あれは、作者もとっくに死んでいますよ。古い、1930年代からせいぜい50年代ぐらいのマンガですよ。売れています。ただ、フランスの若い漫画家なかにはタンタン離れも起きているわけです。若い世代では日本のマンガのほうが好きだと。現実にそういうストーリーマンガの作者がフランスでも育っているわけです。そういう層になるとタンタンの影響よりも、むしろ日本のマンガの影響のほうが強いというそういう現象も起きています。

 

野崎 池田さんのご質問に答えさせてください。なぜ私が個人的にもそう思っているかというと、大衆消費文化の力の強さ、大きさで日本国とアメリカが突出しているとみるからです。ヨーロッパに大衆消費文化がないとは言いません。ただ、なにしろ階級社会です。マンガもアニメもゲームのキャラクターもJポップスも、海外で受け入れられているものというのは、みんな大衆消費文化なんですね。ですからヨーロッパは劣ると言ったのです。中国は駄目とは言っていませんが、層として大衆が必要ではないかと思って言った次第です。

 

牧野 ちょっと答えが細切れになって申しわけありませんでした。最後に香山さん、何かコメントをいただけますか。

 

 

 

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