野崎 リクルートは会社のなかで個人でリスクをとって仕事ができる社風をもっているんですよ。ほとんどの日本の一流企業といわれるところはそうでないから、そういうところがネックになる。でも、最近はフリーターが昔のようなサブの仕事ではなくて、フリーターと堂々と言えるような世の中になってきていて、東大を中退してフリーターになるとか、そういう人たちがどんどん出てきた。どんどん変わってきている。個人のリスクで仕事をできる局面が増えてくるので、僕も兼ねてから言っているように、やる気のあるやつはプロデューサーになってくれるのではないかと思っていますけれどもね。
牧野 私はこの辺が決め手ではないかと思います。専門家は結構いる。つまり「具」はたくさんあるんですね。「お鍋」もあるかもしれない。しかし【鍋奉行】になって、もうちょっとミリンを入れなさいとか、あれを入れればもっと美味しくなると言える人をもう少し評価するという風潮が生まれてくればいい。せっかくある日本の文化が、もうちょっとで世界的にしっかり定着できるだろうなという感じがするんです。
どうぞご質問をお願いします。
池田 先ほど野崎さんのお話のなかで、こういうポップカルチャーが中国ではあまりうまくいかないのではないか。大国の中でも日米だ。こうおっしゃっいました。非常に興味深く聞いていたんですが、私の質問は、ヨーロッパです。先進国のサミット7カ国の4カ国がヨーロッパにある。私が最近までいたウィーンでは、インターナショナルスクールでポケモンが流行ってしまって、これを学校に持ってくることを止めてくれという要請が父兄にもあったような次第なんです。これは1年くらい前の事件なんですが、そういうことでニーズもある。
今日これまでのいろんな話を聞いていても、パリの状況などがあるにもかかわらず、今日のテーマのマンガ・アニメーションでしようか、あるいはゲームあたりまで入ってくると、ヨーロッパの世界ではなくて日米だと言われる。まず、それで正しいのでしょうか。