ですから代替不能だということです。ポケモンは一個しかなかったから、そういう意味で不動産といえる。と思った瞬間に、一番最初に物件の情報がないといけない。自分達が港区でいえば森ビルにならなければいけないと思ったんです。森ビルはお金があるからじゃなくて、ジャッジが早いのと秘密が漏れないという二つの信頼があるので、話が集まると分析していたので、我々もエンターテイメントをやるうえでは森ビルになろうと決めました。
二つ目は、不動産というのは地価が上がったり下がったりします。先ほど言いましたように、いまポケモンを買いたかったら1千億でも買う人がいるかもしれません。でも、あのときは誰も買わなかったんです。その意味では、当たらなかったら下がります。
リクルートはそういうエンターテイメントの世界にほとんど接点がなかったですから、その意味では企画の機能を捨てる。製造の機能も捨てる。製造の機能を捨てているので、玩具の世界ではバンダイともトミーともタカラともパートナーシップを組んでやれるわけです。最初は、競合でしょうと、誰も信じてくれないですよ。どこへ行っても競合だといわれるんです。ゲーム屋さんへ行っても競合だし、映像屋さんへ行っても競合だし、何か、俺たちの競合になるんじゃないのという見方をされる。そうじゃありません、一緒にできますよと、信じてもらうために自分の機能を捨てていったわけです。捨てることによって、役割を元請け下請けといった縦系列ではなくて、横系列、パートナーシップを組んでその事実を広く喧伝することによって安心してもらう。これによって時間を買うわけです。
どのジャンルで切ってもトップ集団にエントリーされるような状況を早くつくる。これを最初のプロデュースワークの部分だとしたら、たぶん代わりの人はいないだろうというのは、別に過大評価でなくても言えてしまいます。
いま映画は私が自分で引っ張ってきたりしているのもありますが、メディアファクトリーにはそれぞれの分野ごとに専門がおります。アニメだと長田というのが全部やっています。