直接フランスの音楽家から、松本零士さん、あなたの絵やアニメを見て僕は育った。僕の音楽にあなたの絵をつけてくれないか、というような注文もあったそうです。それ以外にも、いままで考えられなかったパターンの話があるとおっしゃっていました。
個人レベルでもすでに、いままでの流通ルートを超えるような話が興り始めている。香山さんがおっしゃったようなことがどんどん、個人レベルでもそれから企業レベルでも興っていくだろうと思われるわけです。
いかがでしょうか。ご意見があったら。
本間 サンリオピューロランドが91年にオープンしました。そのとき私は旅行会社に勤めていて就学旅行を担当していました。大手旅行会社の戦略として、大人になって旅行会社はどこを選ぶかというと、小さい時の修学旅行の印象が影響するはずだということで、赤字でもいいからとにかく修学旅行を獲得して子供のうちに会社の企業イメージを植え付けようという戦略をとっていて、小学校、中学校、高校と、一生懸命修学旅行獲得のために動いていました。
サンリオピューロランドがオープンした時に、私が担当していた女子校の卒業旅行の行き先に選びました。それから何年かして、キティちゃんブームが起きたわけですが、子供の頃サンリオピューロランドに行った経験が関係ないとは言い切れません。
海外においても日本のアニメの優秀さについては評価が高く、いまはポケモンなどで土台、基礎ができていますから、そのマーケットが成長するにしたがってもうちょっと大人向けのアニメを輸出しようという話がこれからどんどん発展することもできるでしょう。海外に日本のマンガは根づきにくい状況があったんですが、それがいま香山さんの戦略で、普通のペーパーバック、ペーパーバックの日曜版、そういう形で子供のときから浸透していけば、だんだん日本のマンガも根づくような土台ができていくのではないかと思います。日本のマンガを発展させるためにいい戦略ではないかということで、非常にすばらしいなと思いました。