そうしたら、そのペーパーバックも含めて、僕らとしては日本でつくったものをオリジナルで向こうでやってみたい。そのためのチャンネルづくりで一番欲しがられるのは、まずドラゴンボールは欲しがるだろう。そういう話をを集英社のほうにしたりしていたんですが、そういう意味では、すごくいろんなチャンスがあるんです。
牧野 本当に、いま小野さんがおもしろいとおっしゃったのは実感です。漫画家の立場からいうと、アメリカのシンジケートに流すというそういう発想そのものが、非常におもしろいと私も感じました。
香山 もし描いてもらえるんでしたらマンガを描いていただきたいくらいです。例えば、僕はいまセガですけれども、セガのソニックでマンガを描きたいとか、あるいはセガの他のキャラクターでもいいんです。任天堂さんはなかなかそれはやらせてくれないですけれども、ゲームキャラは世界に出ているわけですよ。当たり前に世界に出て行く。それを漫画家の方が自分が編み出したキャラクターではないけれどもストーリー展開する。あるいは原画とは違う形で自分のタッチで描いて話をつくりたい。そうしたら、それをパッケージングにしてフルにしていけば絶対世界へ出せるんです。そうすると、次にそのオリジナルをぺーパーバックにするんだ、あるいはデジタルマンガにするんだ、というように非常にバリューがあがると思います。
そういうふうな仕組みみたいなものを、いろんなオプションを用意して、それぞれ自分はこのやり方は嫌い、でも俺はこの方だったらいいというような、それが、先ほど言ったお鍋なんです。ですから、鍋にも、すき焼きから水炊きからフグ鍋から、なかなか食べられないアラ鍋まで含めていろいろありますから、そういうふうなことがたぶん日本が強くなる近道だとは思いますね。
牧野 次回お話になるのは松本零士さんなんですが、彼は還暦を期して代理店とか出版社ではなく、コンピューターから直接世界に発信してみたところヒット数が飛躍的に伸びたそうです。