日本のアニメがアメリカに輸出されているいう現象はずいぶん前から紹介されているわけです。テレビでも取り上げられてれいる。ところが、このシンジケートされたという話は小さい記事で知りました。僕の意見としては、こっちのほうが本当は大きなニュースだと思います。日本人の描いたマンガがアメリカでコミックスルーしてシンジケートされるというのはいままでないし、中国人の漫画家なども試みてうまくいかなかったですよね。ですから、60紙にしても何紙にしても、アニメのポケモンという人気が背景にあるにしても、それはすごいことだなと、面白い話だなと、実は個人的に思ったんです。
はっきり言うとアメリカのコミックスは衰退の方向に向かっています。一方ニュースペーパースリップというのは安定している。最後に香山さんがシンジケートの話をされたんで、それで僕もそのことをお聞きしようかなと思っていたんです。
香山 それからペーパーバックにオリジナルを出していったっていいんです。先ほどのドラゴンボールの場合、日本だと出版社に取り次ぎがあって、取り次ぎさんと共存共栄していますから、アマゾンのような商売ができないんですよね。アメリカだったらできるから、現地語化して出版しませんかというと、現地の出版者の人も売れるかわからない。そうするとアマゾンのような会社に版元をしてもらって、ミニマムギャランティを切って、それで注文とったものを印刷したらお互いリスクがない。それは集英社からみたらマンガの輸出になりますよね。そのように出していくものについては、例えば昔のきん肉マンを出すんだったら、きん肉マンのアニメを作るとか、きん肉マンを実在のレスラーのような形にしてリングに乗せるという作業を我々のほうがしてもいいですよと。そういう話をいろいろ投げているんです。
そうなってくると、アマゾンは本屋さんではなくて出版社になれるんです。日本のマンガの出版社になって、例えば攻略本の注文をとってもいいわけです。彼らも今後会社として絶対にうまくいかなくなっていくから、そういう話に乗る。ということをずっと集英社に1年ぐらい前から言って、それだったら日本の東販、日販さんから怒られることもないでしょう。