逆に最近不思議なのは、一時期衰退していた小説の分野で芽生えている新しい才能で、マンガが好きだという作家がずいぶんいるということです。これまで小説からマンガに移った才能が、今度はマンガから小説のほうに移ったということなのでしょうか。
つまり、マンガをマンガ側だけから考えていくと、やがて香山さんが言われるように衰退していくのではないかと思います。いろんなメディア、ゲームにしても何にしても、他のメディアとの複合体のなかからものをつくっていかないと、今後マンガの発展は難しくなってくるのではないかと思います。
きょうの香山さんのお話で、マンガというジャンルがちょっと厳しいのではないかという言い方、マンガを見てマンガを描いている形になったのではないかというのは、歴史的にみてもそういう現象は起こっています。ですから、香山さんはマンガの専門家ではないのによくそういった現象を見抜かれたなと非常に感心させられました。
香山 アメリカには「少年ジャンプ」とかないんですね。「スヌーピー」とかは新聞に載っていますよね。ああいうマンガを配信している会社が何社あって、中央区の築地にいる外国人の方が一人で大きい会社を二つ代理人されているんですけれども、「一つ売ってくれないか」と言ったことがあります。
それで、そこにマンガを流したい。そのときに、先ほどソニックの例をもう少し補足しますと、新作で26本つくろうと思っているんです。130何本の既存の作品は、それはそれでそのまま流したい。既存の作品をリピートで何回も何回もかけて。そして、新作を毎週1回かける。そのなかに新しいキャラクターを入れたいんです。そうすると、例えばビギーのなかからミニビギとかピンクハウスとか出たようにデフュージョンにして出していけばいいではないかと思ってるんです。テレビというのは非常に影響力があるので、そのなかに新しいキャラクターを主人公にしたマンガを全米の新聞に無料配信したいと。