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香山 解け合わさっているところにビジネスがあるじゃないですか。例えばポケモンなどまさにそのとおりですよね。ゲームだけでやっていたら、たぶんこんな大きくならなかった。たまたま僕はラッキーだと思うのは任天堂のなかに合弁会社を何社かつくった。いまポケモンセンターに今年の1月から出向してきていますが、川口さんという企画部長さんがいらっしゃったんです。この方は、僕が知り合ったときは総務部の次長さんだったのですが、任天堂というのはこういう人がたくさんいるのかど思ったわけです。これはすごい会社だと思ったら、この人しかいなくてあとは全然。

結局、たまたまカードとか映像など含めてやるところになったリクルートグループと、小学館という出版メディアと、任天堂。たまたまいまご質問ののプロデューサー的な資質をもった人間がうまくそれぞれの組織のなかにいたということが、僕は奇跡だと思っているわけです。それをとりまとめたり、全体のクリエイティブの面から監修しチェックしながら一緒にやっていたもう一つの三角形の上にある三角錐になったときのそこにもう一人、石原恒和というクリエイティブマインドをもった非常に優秀なプロデューサーがいた。このチームができたことが奇跡だと思った。

いまプロデューサーという名刺が多いじゃないですか。でも、何をプロデュースしているんですか、何をしているお仕事ですかといったときに、きちんと言えないんですよ。そういう意味では、プロデューサーという仕事の内容がまずはっきり見えて、そういうことを体系的に理屈で勉強できて、実際に出て行く場所がいくつかある。これは法律の事務所かもしれないし、メディアカンパニーかもしれない。そうなると違うと思うんですね。

 

牧野 私どもも育てようと努力しているのですが、教育には時間がかかりますね。いまおっしゃったように、一つの分野のプロデューサーというのはいくらでもいらっしゃるんですが、これとこれを合わせて全体を見通し、更にそれを大きな視点からプロデュースするというようなことになると、これはなかなか教えるといっても大変です。

 

 

 

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