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それを一個にまとめると、どこが主催と、誰が音頭をとるのと、誰が乾杯するの。それは名誉的なことかもしれない。一方で、朝日新聞がついてしまったら、では日経はどうするんだとか。そうすると、いままでのそれぞれのしがらみのなかで主催後援のようなものも問題になる。先ほど野崎さんがおっしゃったように、ドメスティックな時はまだよかったんです。

 

野崎 その経済的なメリット、政治的なメリット、全部集まれば巨大な相乗効果を生むということはもうわかっているわけでしょ、頭では。

 

香山 誰が音頭をとるかというのは、いまやっている業界団体、監督官庁とかありますが、それらをまとめて一つにしないとダメでしょう。国策だぞ、というぐらいの話ですね。もしそれを国がやらなかったら、東京都がやるとかいうふうに言ってくれれば動けるんです。そうじゃないと、言い出したやつが、「あいつ生意気だ」みたいな弾を打たれるんですよ。だから、みんな逃げてしまう。

 

野崎 でも、弾打たれてもいいぐらいの根性のある人は民間にいないですか。

 

香山 だから、久保、宮本かなと思っています。僕がリクルート時代にそんなことを言ったってもう全然意に介さないですよ。

 

牧野 実は、私は日本漫画家協会の理事をやっていて、ずっとその事業担当なのですが、いまおっしゃったとおりなんですね。例えば、マンガを全部集めて大きなマンガショーをやろう。外国からも来てもらおう、というようなことを計画しますと、小学館だ、講談社だ、集英社だというふうに分かれてしまって、結局は漫画家協会が企画したものでも出版社がほとんど乗ってくれないという悲しい現実があります。

 

 

 

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