昔のものをリピートかけながらという手法、これは正に先ほど言ったポケモンのフォーマットです。例えば新作のソニックにフーチーを、いまセガトイズといってセガの子会社がやっていて世界で売れていますが、これをアニメのなかに入れてしまったらもっと売れるかもしれません。そういうフュージョンをさせながら、ポケモンの枠組みをもっていくわけです。
かけられるチャンネルの数というのは、ニッケルオデオン、ワーナーとフォックスがやっているやつ、ディズニーとキッズチャンネルの4つぐらいしかないんですよ。その4つの4人の編成プロデューサーの嗜好をきちんと抑えておいて必ずかけられるんですよ。それをかけるために、まずローテーションで地方のシンジケーションのなかで回していってもっていく。この枠組みはポケモンによって得たんです。きっと久保さんしゃべっていないと思いますよ、彼のノウハウにしようと思っているはずだから。
でも、日本の人たちはエンターテイメントだとかキャラクタービジネスだとかいいながら、それをどうジェネレートしていくのかということなど全然知らないんです。だから、絶対産業にならないんです。産業にならないことを産業にしてきたのがリクルートだったんですよ。未産業領域を産業化するそのスキームによって高収益会社になってきた。そのノウハウをエンターテイメントに持ち込めばいい。それのための実験だった。それがたまたま眼をつぶって振ったらポケモンが200mのホームランで、こいつはもしかしたらマグワイアよりもすごいホームラン打者かもしれないといま思われてしまっているところに、リクルートグループもメディアファクトリーもいるんです。ですから、映画なども出せばだいたい出資したのはヒットしていますから、そうするとメディアファクトリーが乗っかっているものは買いだ、というような雰囲気が業界のなかにできているんです。打席に立たなかったら伝説のホームランバッターで終れるのに、このまま三振し続けたらやばいなんて思いますけど。
ただ気を付けなければいけないのは、その枠組み、そのスキームとそこに乗っかるキャラクター、コンテンツは別なんですよ。