香山 ポケモンの時はそうですが、最近ですと逆にマンガを扱うのは難しいと思います。いろいろな技術の集積体で日本が独自に組み立てていったものだというような気がして、向こうでいうカートゥーンなどとはちょっと違う気がしますね。
でも、実際に動くものになると、テレビに映っているものは何だって同じ目線で見てしまいますから、それがハリウッドの映画であっても、日本のアニメであっても、向こうのドラマであっても、日本のドラマでもあっても同じように見てしまいます。その部分でいくと、あまり変わりはないんじゃないかなという気はしているんです。ただ、ビジネスを組み立てるというふうな部分については日米で相当違います。
先ほど野崎さんが昔やられていた仕事内容について触れられましたが、僕なんかよく一か八かの時に人の金使いづらいから、スターターファンドとブースターファンドというものを利用しました。これはスターターパックとブースターパックといって、スタート時に買うものとそのあと拡張で買うものという考え方ですが、一番最初はリスクがあるんです。しかし、ポケモンに最初投資した会社はメチャメチャ儲かっているわけです。例えば映画については10社でやっていますが、メディアファクトリーは筆頭出資社の1社です。最初の映画は総制作費が3億5千万ぐらだったと思います。日本でビデオも100万本以上売ったし、興行配給収入が41億円。アメリカだけで9千万ドルぐらいですか、ビデオのロイヤリティも入ってきます。そしていま世界で回っていますから、そうすると、映画から返ってきたお金というのはものすごいわけです。一度それへ投資してしまったので、そのあとずっと権利をもっているので、第2作も第3作も第4作も同じ枠組みで進んでいるんですよ。
アメリカでいくと、例えばアニメーションかけるためには、新作だけでは駄目なんです。例えばセガでいま準備させてるのですが、ソニックという作品があります。これは136本分のアニメーションがすでにあるんです。そして新作を今年出していく。ゲームとあわせてCGでつくる。それは2クール分ぐらいでいいぞと。ようは26本あったらいい。