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毎年2千万人がパスポートを買うことを担保にした東京ディズニーランドのライセンス収入担保のファイナンスもそれの範疇に入ります。それから、例えばビートルズというアーティストがいるわけですが、これが世界中で何百億回流れるかということです。それの印税収入を担保にしたもの。これは絶対に大丈夫だといいきれるわけです。

そういう有名なものについてはわかりやすいわけですが、一方でポケモンのように全く新しい案件もあるわけです。これはあとで香山さんにお聞きしようと思っていますが、ポケモンがデビューする前に、つまり売れるかどうかまだ誰もわからないときに、どうやってリスクをとるかというと、これはエクイティしかあり得なくて、いわゆるハイリスク・ハイリターンの商品を採用する。これが正攻法の考え方でございます。

国際的にみればこのジャンルに特化している金融機関もありますが、残念ながら日本の金融機関、私が辞めた1999年の時点では、エクイティファインナスに追いついていけるような審査力をもっている、あるいは合理的な判断基準をもっている金融機関はありませんでした。日本においても、世界の先進国においても、この著作権の分野というのは非常に成長性があって、かつ利益利潤率が高いので、これは第一順位でやるべきだと私は考えていて、もし私が頭取であれば第一順位でやるだろうと思います。

香山さんは先ほど、ポケモンが結果的に当たってしまった。ゲームボーイから出て下地ができてカードゲームをやったら当たってしまった。プロのデザイナーに美しく仕上げてもらって、テレビの放映時間も子供の時間帯に徐々にあわせていってというように周到に進めれば、約束されているわけではないものの、やればできるようなことをおっしゃられました。たしかにそのとおりかもしれませんが、なおそれ以上のものが私はあるような気がしています。私が香山さんに初めてお会いしたのは何年も前なんですが、なぜ、ポケモンが当たったのか、同じ質問を素人なので聞いたわけです。

当時、田尻さんがベーシックなアイディアをもっておられてこれを商品化するという案にその時点では誰も振り向かなかった。ところが、香山さんと小学館の久保さんは「これはいける」という感じをもっていたと、私は聞いたことがあります。

 

 

 

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