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牧野 野崎さんは、銀行家としてのキャリアのなかで、こういうソフト事業に現場で対応された経験をおもちですが、その視点からみて、今後、このキャラクターの権利問題はどう推移するとお考えになりますか。

 

野崎 香山さんにパネリストしてこのフォーラムに参加して欲しいとお願いしにいった時に、ポケモンのことはあまりしゃべりたくないと言われたんです。それで私も遠慮しておこうと思ったんですが、のっけからポケモンの話になっているので、ポケモンの話を聞いてみたいと思います。

牧野さんの最初のご質問からいいますと、私、銀行員時代にソフトビジネス、ソフトのファイナンスにどっぷりはまっておりました。なぜかといいますと、銀行のメニューのなかで最も将来性があって、儲かりそうだと思ったからです。しかも、どこの銀行もまだ手をつけていないという無競争状態だったものですからやったんですが、ちょっと難しそうにいうと知的財産権を証券化するというような仕事です。ロイヤリティファイナンスだとか、著作権の証券化だとか、ストクラチャードファインナスとか、いま格好いい言葉でいわれているジャンルです。貸し倒れの率、ようするにキャラクターを売って1千万人が買って、そのうち何人取り漏れるかということがもう経験的・確率的にわかっているわけです。したがって、どのぐらいに引当を積めば、それはトリプルAの債券になるというのがもうわかっているジャンルでございまして、大変に安全性は高い。

例えば、東京ディズニーランドに年2千万人がパスポートを買って入ることはもうわかっているわけですから、まったく安心といえるわけです。

 

 

 

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