ポケモンも大変な準備をされ、辣腕のスタッフのバックアップによって世界に出て行ったという、そのことはわかるような気がするんです。が、それだったら他の国でも同じように日本の真似をすれば、ビッグヒットを生めるのかどうか。例えば、韓国はいま官民一体になって日本に追いつけ追い越せと動いていますが、香山さんご覧になって、韓国や中国、そして香港などからピカチュウを猛追するようなキャラクターが生まれる可能性がありましょうか。
香山 やっていれば出てくるんじゃないですか。日本でも新作のテレビアニメがかかるのは半年ごとでだいたい7、80本。生み出されているマンガの数というのも相当な数でしょうし、ゲームに出ているものをみんなキャラクターだといったら、そこに登場するキャラクターの数というのは毎年、毎年うたかたと言いますか、アブクのように消えていくのも含めて、数万といるわけです。
そのなかで、たまたまポケットモンスターというのは当たりました。アニメでいえばその前はドラえもんだったり、あるいはアンパンマンだったりするんでしょうが、いっぱいやっていたら必ず出てくると思いますよ。ですから、本当に運がよかったという部分はあると思います。小学館の久保さんは、あの性格だから「狙ってやった」と言うかもしれないけれども、もう一回再現しろといったって、たぶん難しいですよね。
パカパカ現象によって子供達が倒れた時のことを今から思い出すと、レンタルを回収すると損害賠償になるしとか、テレビ局の対応など待っているとその間にも何が起こるかわからないしというので、寝ないで自主的にいろいろな対応を進めたりしましたが、今から思ってみると語弊があるかもしれませんが広報的価値は高かったかもしれないと思います。世界で報道されたりしましたから。そういうものの積み重ねのなかで、たまたまここまで大きくなったと思います。
キャラクターを生み出すことは僕にはできないんですが、これをある程度当てるということはできると思います。