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それも問屋さんといいますか流通に出ていく数字がそれぐらいです。そういう意味では、我々は期待していたし作った人たちも期待していたけれども、多くの人は期待をしていなかった。

「ポケットモンスター」のもともとの絵というのは、杉森君と西野さんが書いたんですが、非常にきれいだったんです。プロデューサーの石原さんという人は、マジック・ザ・キャザリングなどを含めて世界中のいろんなゲームについて研究を重ねられていたので、日本でもカードゲームなるものをやりたい。カードゲームで「ポケットモンスター」の世界を少し広げてみたい。それに続いて、動く姿を見たいし声も聞いてみたいというので、アニメプロジェクトも始まっていました。ポケモンは日本でも社会現象にまでなったわけですが、この三つの組み合わせとその世界観をきちんとマネージしていく仕組みがあれば、おそらく子供の世界では全世界共通ではないか。ディズニーを我々が受け入れるように、海外でも受け入れられるのではないか。そのように考えました。体制のつくり方と進め方さえ間違わなければ大丈夫だという自信がありました。

権利関係については小学館と任天堂が中心になってクリアしましたが、その後今度はアニメーションのところが大きく問題になったんです。日本でも目の細いタケシというキャラが途中から消えたと思いますが、それはなぜかというと、アメリカの人たちは線で目が書かれているキャラというのは受け入れられなかったんですね。だから新作に入る場合はあいつを外せということになりました。名前についても似たような経緯がありました。「ポケットモンスター」の名前は日本語の名前から英語に変わっていったときに、そこだけで9カ月かかっています。ネーミングについて日米の文化をに合わせていくのにすごく時間がかかりました。

ただ時間的な問題もあったので、音楽と名前、主人公のサトシをアッシュと呼んでいますが、それらを除いてはそのまま持ち込みました。あとは、多くの人に見てもらうために、シンジケーションを使って世帯カバー率をできれば90%までもっていく。時間帯も、最初は子供がいない昼にかかっていましたが、任天堂のゲームボーイが売れれば、一番最初にゲームからスタートしますから、番組の時間帯も徐々に子供のところに寄っていく。

 

 

 

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