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日本のキャラクターが非常に注目を浴びるようになってきたのは、おそらく98年ぐらいからではないでしょうか。

一例を挙げますと、通常アニメーションフィルムにはビデオグラム化権や、そこから発生するマーチャンダイジングの権利などもろもろ付いていますが、「ポケットモンスター」の場合、それをまたアメリカでライセンス使用を募って展開するという枠組で、話あたりのビデオグラム化権も含めた権利の値段が5万ドルぐらいだったと思います。

それ以前、日本でそんなに値段が高くついたフィルムはありませんでした。最初喜んでいたんですが、アメリカでビデオグラム事業をやったワーナーさんは、何巻かで1千万本を売りきってしまった。ロイヤリティが日本には入ってこない形だったんです。5万ドルで売り切ってしまったわけです。

マーチャンダイジングの場合、「ポケモン」のカードゲームについては、全世界における製造販売権はメディアファクトリーがもっておりまして、それをサブライセンスしていく形をとったので、それについてはメディアファクトリーにロイヤリティがきちんと入ってくる仕掛けでした。アメリカでは1年間で40億枚カードゲームが売れました。、日本では1枚30円ぐらいですが、向こうで1枚20円としても800億円。そういうマーケットが瞬時に出来上がっていったのをアメリカのエンターテイメント関係者が目の当たりにして、一斉にフィルムを日本に買いに来ました。いま市場に出ていますバンダイさんの「デジモン」などを含めて、とにかくマスターライセンスだけでなくゲームとアニメとマーチャンがついているんだったら何でも買うと。土地の地上げのような感じで、すごいことになりました。その余波がいまも続いている形なので、実は、日本のキャラクタービジネスといいますか、日本がつくり出していこうとしているものを世界に対してきちんとプレゼンテーションできる一番いい機会にはなっているというふうに、いまは思います。

 

 

 

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