例えば、オバタリアンというマンガありましたが、あれが有名になると、例えばホテルなどで本当のおばさんがたくさん目につくようになった。みんなでお茶を飲んだりしています。おばさんが元気になるわけです。また、日本の漫画で世界の人がびっくりするのは少女漫画です。少女が学校スポーツをする、対抗試合をする。日本では当たり前のことですが、そういうことがまだない国の人々は目を見張るわけです。日本の少女もマンガを見てよけい元気になる。これからそういう人たちがシルバーになっていくわけですから、今度はシルバーちゃんというマンガをつくるのも一つのアイデアです。
高知県にも過疎村、高齢者村はたくさんあると思います。皆さんがおじいさん、おばあさんをしっかり観察して、そこからシルバーちゃんというマンガをつくれば、日本で最初、世界で最初の開拓者になれることに気がついてください。
そう思いますと横山隆一の「フクちゃん」はフクちゃんもかわいいけど、おじいちゃんにも存在感があったように思います。あの頃からおじいさんが活躍していたと思います。最後に佐竹さんフクちゃんの記念館をおつくりになるそうですから、どんなことをやりたいか言ってください。
佐竹 はい。宣伝を兼ねて報告をさせていただきますが、横山さんは今91歳なんですが、この間七十数年ずっと漫画を書いてきておられる。それだけではなくて、その間に集められた漫画の原画とか、膨大なコレクションを持っていて、それも非常に珍しい珍コレクション、探検家の植村何とかさんの足にできたまめの皮だとか、大変珍しいものを持っておられる。カメラだって500台ぐらい高知市にもうきております。それから横山さんの鎌倉のお屋敷を再現しようということもやっております。昭和初年から漫画家の交流の場だったわけです。そんなことで、一つは横山さんの持っておられるいろんな資料をきちんと保存する機能と、それからもう一つは高知県は先ほどから出ているように大勢の漫画家が出ておられるから、その漫画家の皆様方に登場してもらって顕彰する。さらに欲を言えば、漫画集団という横山さんを取り巻く漫画家、さらに日本の漫画ジャパンというストーリー漫画家の先生方の応援を得て、いろんな企画をしたい。