そういうフロアと、それからもう一つの特色は、国際的な交流をしたいということでございます。フランスとかベルギーとか、先ほどから出ているアジアですね。少しフランス、ベルギーは違いますが、フランス、ベルギーでは漫画は文化というよりも芸術として認められているわけですから、なかなか格調が高いわけです。大体そういう路線が敷かれています。
トータルで申しますとそんなような非常に幅を広げた事業をやろうということでございます。できたら文化や文化財の地方分権という、そういう一つの流れができたらいいのかな。漫画ならそれができるんじゃないかな、そんなことを思っています。
それから最後でございますが、先程来アイデアだとか、いろいろ話が出てきておりまして、特に日下さんからおもしろい話が出てきております。ちょっと私的なことを言いますと、古い話ですが日下さんは私の前職の先輩でございまして、文化産業論という大論文を提案をされた。もう30年も前でございますがね。これでサントリーの何とか賞をもらわれた。そんなことでそれ以来、ずっと一連の文化が産業に並ぶんだということで、ご自分でもソフト化経済センターというのをつくられて、これからは産業構造はソフト化するんだ、ソフトの中身はいろいろございますが、知識だとかアイデアとかいうことじゃないかと思うんですが、こういうものが産業になる。実は私は、日下さんと一緒に仕事をしているときも、いろんな日下さんの予測というのは信奉していました。なぜかというと当たるんです。経済予測も当たった。そんなことで私も何とか高知の漫画を文化事業、文化産業にできればな、これが私の一つの目標であり、希望なわけです。以上です。
牧野 ありがとうございました。そろそろこれで終わりにしたいと思いますが、漫画家の予測が当たるということは、漫画家だけが優れているわけではなく、漫画家は、皆さんが心の深いところで考えている「本音」をズバリ!!言ってしまうんですね。
さっき皆さん、「教養が邪魔して」っていうことがありましたが、考え込んでしまってなかなか発言しないところを、時には“軽薄に見えるほど”思ったことをストレートに言ってしまう。そこで人間関係が少し悪くなりそうなときには、ユーモアで補う。そういうことを繰り返しているのが漫画家という人種だと思います。冒頭で出ましたように、土佐の方々は単刀直入の会話が可能である「土佐弁という武器」も持っておられます。ぜひ、思っていることをどんどん発表してください。せっかくでき上がった漫画の記念館などの『場』で、今度は横山さんや、はらたいらさんとは違う、あなた方「若者文化としての漫画」を育てていただけたらな―と。私も62歳の古い漫画家ですから、皆さんのお顔を見ながらそんな願いを持った次第です。
皆さん、ご清聴いただいてありがとうございました。これで終了したいと思います。どうもありがとうございました