牧野 先ほども申し上げましたが、日本には京都精華大学と2つの短大、3つの学部しかないんですが、韓国には短大も含めてだと思いますが42の大学にマンガ学科があります。そういうところはきっと、こんなお話を聞いたら何らかの形でかかわりたいと考えるでしょう。「まんが甲子園」は高校ですが、東南アジアにおける漫画へ興味、エネルギーは育っているのだと私も考えています。それで本当に時間が迫ってまいりましたが、日下さん、予定された12回のフォーラムのうちここまで来ました。3分の2ですね。初めて東京から高知にやって来たんですが、やはりやって来てよかったですね。
日下 そうですね。
牧野 毎年「まんが甲子園」で知事とお会いしていながら、まとまったご意見としてお聞きするということはなかなかできないんです。本当によい機会を作っていただきました。日下さんからは、毎回の発言者に応じた新しい見解もお聞きでき、それを楽しみにさせていただいています。今日も締めの形でお話いただけたらと思うんですが。
日下 橋本知事が私のつたない提案をちゃんと覚えていてくださったのにはびっくりいたしました。こんなにソフトでやる気のある知事さんがいらっしゃるにもかかわらず、会場から質問が出ないのは残念です。今日会場にお越しの皆さんにお願いしたいのは、先ほどから牧野さんもおっしゃっていますが、漫画はアイデアである。アイデアは時代より先をいくということです。新技術でも全部漫画の方が先なんです。空を飛んだり、ロボットと一緒に生活したり、いろんな技術は漫画が先にあって、漫画にないのに発明された技術はないとさえ言われているんです。鉄腕アトムの誕生日は2003年なんですよ。