高知県には10年間蓄積された「まんが甲子園」というノウハウがあります。かつ先ほど知事がおっしゃったようにその効果、成果がもう出ているわけです。優勝校が自信を深めたり、優勝校の描いた絵が世の中のためになっているのですから。これは、難しくいうと個人とか民族のアイデンティティーの確立に大きく役立っているわけです。高知県の持っているこのノウハウをアジア諸国に教えてあげる、つまり「まんが甲子園」を国際的に発展させていくと、受け入れた他の地域の発展にも寄与することになります。私は是非高知県にそういう展開をしていただきたいのですが、いかがでしょうか。
橋本 それは現実論と理想論とがバランスをとらないといけないところがあります。例えば「まんが甲子園」にアジアの人たちにも参加してもらって呼ぼうということになると旅費を一定負担をしないといけないという問題も出ますし、これだけの為替レートの時代になかなかアジアの人に自由に来てくださいといってもできませんので、そういう現実的な難しさはあろうかと思います。
ですが、それはまず直接来なくても応募の段階ではインターネットを通じてやっていくということも可能ですから、インターネットなどを通じて海外の方はインターネットで参加をしてもらって競技をしていって、それで優勝できたらお呼びをしてまた一緒にというふうな、いろんな仕組みは考えられるのではないかと思いますし、そういうイベントの日に合わせてということでなければ、それは台湾でも韓国でもどこでもいいんですが、そういう方々と何らかの交流ができればそれはとてもすばらしいと思います。
先ほど言ったように、漫画というのは共通の言語ですので、共通言語だということを若い人たちが意識をしてもらえる。そのためにもそういうことができたらとてもいいと思います。けれども、それは相手側に何か積極的に参加をしてくれてやってくださる人がいないと、こちらから全部働きかけていくんだと、とてもそれだけの手間が省けませんので、やはり、相手方からそういうアプローチがあれば幾らでも応じていきたいなと思います。