それから日下先生が言ったもう一つのアイデアは、いま有機無農薬の農産物づくりというのを各県やっています。これも勝手に高知県なら高知県の基準をつくったらどうか。それを単位にして高知の国の名前である「とさ」で表し、このなすは「0.2とさ」とか、このピーマンは「0.05とさ」だとかということを言って売ってみたらどうかという話をされたことがあります。これは私は実現可能性があると思って、うちの農林部にずっと日下さんと会って以来8年か9年言い続けていますが、全く相手にしてくれません。年度当初の講演などでもきちんと言いましたが、ほとんど具体化をしません。
そこはやはり賢さというか、何か邪魔するものがあるんじゃないかと思いますが、僕はそういうアイデアというものをこれからは大切にしていかなければならない時代だと思います。だから将来そうなれるかどうかわからないが、県庁の職員の試験なんかも、今は法律だとか行政何とかというのでやっているわけですが、例えば10分の間に何本のアイデアが出せるかとかというので、アイデアがどれだけのものを出せるかという人の方が僕は必要だと思います。これからは、私たちのやっていく事業とか、サービスというのもアイデアでごろっと変わってくるものがいっぱい出てこないといけないし、出てくる時代だろうと思います。という意味から言うと、デザインでも漫画でもイラストでもいいんだけど、すべて一定のアイデアというか、イメージがあってできるもんでしょう。こういうイメージやアイデアというものを単に作品というだけではなくて、いろんな方面に広げて僕はどんどん提案をしていってくれれば、引っ込み思案にならずに提案をしてくれれば、こういう才能を持った人というのは、もっともっと評価をされるし、また評価のされる時代にならないといけないと思います。
牧野 すばらしい!!こういう知事がいらっしゃるんですから、もっと高知は変わってくると思います。路面電車一つとってもあそこまで豪快に絵をかいてしまう路面電車というのは、少ないですよね。日本中にはまだ、いろんな路面電車を残している都市がありますが、せいぜい広告を載せるぐらいで、正面から見ると、窓が猫の目になっている。