牧野 今、知事が指摘されましたが、二足歩行ロボットをホンダがつくったわけですが、これをつくるときに、―これはプレスリリースで、いわゆるマスコミ用につくった文章の中にあったんですが、上司が「君、ちょっとアトムを作って!」と言って頼んだら、技術者の方が「ああ、アトムですね」―それだけで通じたって言うんです。そんなコミュニケーションの中から、階段を上る二足歩行ロボットが生まれ出て、サッカーボールを蹴ったりすることができるんですから驚きです。
これは本当に、手塚さんの夢だったと思うのですが、同時にディズニーの夢でもあったと思います。アイボや二足歩行ロボットがヒットすると、たちまち色々なおもちゃが続々と生まれた。水の中のくらげロボットも出てきた。一方では橋本さんが今おっしゃったような、介護のための腕とか、介護のための足周りとか、―ロボットの表情だけを研究している人もいるんですね。この中に龍馬学園を卒業したイラストレーターとか漫画家たちが参加していって、単なるスーパーマンじゃない、完壁なロボットではない、やなせさんの言うように“正義をすれば必ず傷つく”という、そういうコンセプトを持った、楽しいと言いますか、―人間臭い、人間味のあるロボットなんていうのが生まれてもいいと思うのですが、いかがでしょう。―そんなこと考えたこともないですか?ぜひ、来年の「まんが甲子園」にはそういった部門もつくったら―なんてことを考えます。
橋本 そうですね。あと、残り時間も迫ってきたのでもう一つだけ言いたいことを言っておきますと、漫画というのは今話題になったキャラクター、絵の部分と、アイデアの部分がありますよね。アイデアというものをいろんな面に生かしていくことをぜひ考えてほしいと思います。
きょう、日下先生と久しぶりに会ったんで思い出したんですが、日下さんと初めて会ったときに、日下さんに言われたことで一つ印象的だったものは、高知県内では交通取り締まり、ねずみ取りは絶対しませんという宣言をしたら観光客がどっと増えるだろうという話をされました。本当にそうなるかわかりませんし、なかなか警察がうんとは言ってくれませんのでできませんが、こういうのも一つのアイデアですよね。