そんなことをちょっと心の中にみんな持っているから、なかなか質問というか、自分の意見が出ないのかと思います。
けれども、自分がもし漫画をかいたり、デザインをかいたりしている人であれば、何か思いがなくてかけるわけがないので、きっとそれぞれ何か思いは持っているだろう。そういうことがもっと言葉として表現できるようになると、いろんな作品をつくるときでももっともっと自由な感じで出るんじゃないかなということを今感じました。
キャラクターのことですが、いろいろ難しいことじゃなくて、これからの時代ということを考えますと、お年寄りも増えてくる、それから子どもも少なくなってくる。そういう中で単に絵としてのキャラクターだけではなく、ロボット犬のアイボのような、ある意味ではキャラクターですよね。ああいう動くキャラクターとしてアイボは実際にいる動物だけど、ロボットの場合にはキャラクターとしてつくった架空の動物というか、架空の生物であってもロボット化をできる。そういうものが人間の新しい相手になっていくのかもしれない。また、これから高齢化社会の中でいろいろ介護をしてくれるロボットというのも必要なわけです。だけど普通に介護ロボットをつくろうとすると、ベッドから車いすに人を移すとか、単に機能だけを考えている。機能だけではなくて漫画、デザインをする人と一緒につくっていくことによって、人の顔か、動物の顔か全く違うキャラクターかわからないが、そういうキャラクターで何とか君とか何とかちゃんというのが、お年寄りを車いすに動かしてくれたりするような、そういう人に優しい機械というのが、できてくる可能性があるんじゃないか。
キャラクターというのは、今皆さんが取り組んでいるのは、平面の上、またはパソコンを使うのであれば3Dの世界でしょうけど、そういう平面、または映像の世界だけじゃなくて、実際にものとしてそれがいろいろ人間とのコミュニケーションを新しくつくっていく物体につながるとか、さまざまな広がりを僕はこれからもっていくんじゃないかと思います。