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牧野 どうでしょうか。異論があるよ、私はこうだよとぜひ声にして言ってみていただきたいのです。そうしないとこちらには随分いろんなものが用意してあるものですから、どんどんお話しして時間を使ってしまうんです。ぜひ漫画、アニメーション、普段ご覧になっているご自分の感想、意見というものがあったらどうぞ。

―先に出しました「サンリオ」でも、スヌーピーとキティちゃんを持っているんですが、アンパンマンはなかなか取り上げなかったんですよ。「やなせ先生、アンパンが空を飛ぶというのは―ちょっと―ね!?」という具合。だけど、キンダーブックというところに発表の場が移って、東京の4チャンネルで放映されてから、爆発的にヒット。いわゆる“ブレーク”の状況が生まれたわけです。

これほど多様なキャラクターが生まれる下地に、日本の「八百万の神々」がいらしゃる。日本の皆さんは外来の神や仏を差別しないで、おおらかに受け入れている。例えば、川にも神様がいる。火の神様もいる。山にも、湖にもどこにでも神様がいらっしゃるわけなんですね。その神様の姿というのは、みんなイラストレーションになっていますが、皆さんご存知のように、お稲荷さんといったら「キツネさん」ですよね。キツネさんがいたりタヌキさんがいたり、いろんなものが神様になっているんですが、何でも神様として受け入れていく、「あなたの神様も認めるから僕の神様も認めてくださいよ」という風土がある。

これは一神教で、「一人の神様しかいないんだ。これしか信じてはいけないよ」というお国柄とは、ちょっと違うのではないかというのが私の見方です。これが正しい見方だと申し上げているわけでなく、ただ、私がそう感じているだけなんですけれど、いかがですか?

では、橋本さん、例えば吉田茂さんも、個性的なキャラクターなんですが。そのキャラクターの持っている力と、多様なキャラクターを認めていくという気風が日本にあるとお考えになりますか?

 

橋本 なかなか質問が出ないというのも、みんなまだ賢い社会に慣れているからじゃないかという気がします。言ったら賢さというような基準ではかられて、何ていう質問をするんだというふうに思われるんじゃないか。

 

 

 

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