―どうでしょうか会場の皆さん。どんどん発言いただきたいと思いますが―、これは東京財団が記録として残しまして、インターネットでも全国に流そうというふうに計画しているフォーラムです。ぜひ我々だけが話すのではなく、いつでもお手を挙げていただきたい。話の途中でもいいです。私が「いかがですか」と言ったときだけでなくて、ちょっとむずむずと発言したくなったというときにお手を挙げていただきたいなと思います。
さっきから文字の話が出てきましたね。これは橋本さんはどうお考えですか?日本人は象形文字を使っているんですが―、ちょっとこれも難しくて“高邁”な方向にいってしまうかもしれません。私たちが新聞をパッと開いたときにまず、大見出しを見るわけですが、これは読んでいるのか、見ているのかというと、かなり多くの論者が、あれは絵として見ているんだというような意見を開陳されるのです。どんなふうに感じられますか。
橋本 それは最も難しい哲学の記号論に入りますので、一言では言えませんが、やはり漫画とかデザインの持っている強みというのは、漫画の中に吹き出しを使う漫画もありますが、吹き出しなしでわかる漫画というのがあるわけです。それは、その書いている人が英語がしゃべれなくても中国語がしゃべれなくても、中国の人にもアメリカの人にもわかるという意味で、まさに共通の言語だと思うんです。ですから漫画とか、デザインのかける人というのは、それだけで僕は国際人としてのある意味では資格というか、可能性を持っているのではないかな。漫画が、これから開いていく可能性として、国際社会の中で共通言語として使える素材だということは、大きな意味があるんじゃないかと思います。それはただ単に意味を持つ絵としての漫画カリカチュアというだけではなくて、コンテンツというか、キャラクターとしての絵もそうです。いずれの意味でも世界共通のものだというのは非常に強みじゃないかなと思います。