水木 水木と申します。国際デザインカレッジで漫画のストーリーを教える仕事をしております。その仕事内容とは全く関係ないことをお尋ねしたいと思うのですが、実は私は出身は北陸なんです。北陸ですとまだマンガに対する偏見がちょっと残っています。高知へ来まして、偏見が全然ないので本当に嬉しく思っています。そのことをふと考えてみたときに、例えば日本のマンガが国際的に広がっていくのは嬉しいのですが、アジアなどでまだ女性たちの地位が低いという現象があるように思います。そのアジアで、女性マンガ家たちはどういうふうに育っていっている、もしご存知でしたら教えていただきたいのですが。
牧野 これは私がお答えすべきかどうかわかりませんが、知るところでは、これほどいわゆる少女漫画というジャンルが確立していて、女流漫画家の数が多いのは日本の特異現象なんです。ですからまだまだいわゆる日本でいう少女漫画の作者というのは少ないのではないでしょうか。発表する場も限られていると思いますし作家の数も少ない。まして今おっしゃったように女性問題をストーリー漫画の中に組み込んでいくということはもう少し先の話になるんじゃないかと思うのですが、こんなお答えでいいでしょうか?。
エーッと、ご質問がありましたので、関連してお伝えすることがあります。この夏、「アジアマンガサミット香港大会」がありました。毎年、各国持ち回りで大会を開催し、漫画家たちが交流をしています。そこに野崎さんも参加されましたので、その報告をさせていただきます。
野崎 日本側は里中真智子先生が団長で行ったのですが、ものすごい尊敬の的でした。約10ヶ国ぐらいの国々からマンガ家、あるいはマンガを出版されている方々が集まっている。そしてマンガの将来を真剣に語る場所でございますが、日本のマンガ家はものすごく尊敬を集めています。
さきほどのアジアで女性マンガ家がどう育っているかというご質問については、私は直接マンガの仕事をしていないのでわかりませんが、そのマンガサミットの雰囲気の中に答えがあったように思えますので、それをお話したいと思います。