そういうものが実行委員会として送られていけば絵をかくとか、アイデアを出すという本来のコンテストだけではなくて、こういうものを動かしていく力も一緒に学んでいけることになるので、そんな意味からもなるべく行政が口を出さずに、みんなが自主的に動かせるようにしていければいいなというふうに思います。
牧野 高邁なお話ということになりましたが、高邁なお話をわかりやすく話をするということは、極めて大切なことですよね。
橋本 そうです。
牧野 高邁というべきかどうか?―私もその片割れですが、大学教授はどうしても理屈っぽく話をする。しゃべっている本人もわからなくなってしまうようなところが多々ありますが、やはり漫画、アニメーション、CGなどという1番、だれにもわかりやすい、だれにも同じメッセージが伝達できるようなすばらしいメディアなんですが、こうしたものを語るときに、高い水準でありながら同時にわかりやすい話をしたいな、と常日ごろ願っています。
日下さんが、私にお見せくださったいろいろなご著書とか、そこから抜粋されたコピーの中に「文化」とか「文明」など、字引を引いてさえシカと理解し難い言葉を使いながら、実に分かりやすく明確に解説した一文がありました。こういうチャンスですから、若い―私の学生たちとほとんど年齢が同じような人たちがたくさん来ておられますが―、こういう中で、日下さんの文化、文明論のさわりをちょっと展開していただけたらと思います。
日下 そんなことをしてもしょうがないと思うんだけど(笑)。