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私の周辺では、先ほど申し上げました京都精華大学に漫画学科ができた。今度は「まんが学会」をつくろうという話もしています。それから比叡山のあたりに「マンガ文化研究所」ができないかとか、―そんなことまで考えるようになったんです。こうした計画の起爆剤になっていく。大勢で形成する団体でなく、1人2人の気骨のある作家たち、ユーモアを介する人たちが活動することによって、日本全体のムードを変えていってしまうということがあります。

佐竹さんはその名も「龍馬学園」を経営なさっていて、高知の若者たちと日常的に接触しておられますが、各地に旅行された際、出会う若者の感じと、高知で活動している若者とは、どこかに違いがありましょうか。

 

佐竹 いきなり難しい質問です。

 

牧野 ―では、ちょっと変えまして―今、話題に出ました漫画家たちが高知から出て日本の漫画文化を動かしていく“理由”―日頃、佐竹さんがお感じになっている、こうじゃなかろうかという仮説で結構です。

 

佐竹 ご質問の主旨は、なぜこんなに高知県から大勢漫画家が出ているかということだと思います。その前に、会場の皆様にもご理解いただくために高知でこの十数年の間に漫画の拠点的なものがどんなにできてきているかということを、項目だけ挙げたいと思います。

今、たまたま知事は甲子園ということで県はやっておられるし、その代表ということでご登場いただいていますが、その他にも五指に余るぐらいの漫画の拠点がございます。第1番目は高知新聞社でございます。これは高知県唯一の古い地方新聞社ですが、早くから高知新聞では非常に漫画に力を入れておられています。

 

 

 

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