しかも「まんが甲子園」という名前そのものが、なかなかわかりやすいし、いろんな意味合いが込められていていいなと思いました。
というのは、高校の中でのクラブ活動というのを考えると、漫画の愛好会というか、クラブ活動をしている人たちには失礼な言い方かもしれませんが、明らかに野球部と漫画クラブの間には大きな落差があるのではないか。学校の校長先生が見る目、また保護者の見る目もきっと違いがあるのではないか。そういう落差というか、悲哀みたいなものを「まんが甲子園」という言葉が見事に言い当てているのではないかな。ある意味ではペーソスも含んだような言葉ではないかと思いました。それが第一印象です。
後は、やや後づけの理屈になりますが、漫画のことについていえば先ほど牧野先生からも話がありましたように、高知県というのは「フクちゃん」の横山隆一さんとか、アンパンマンのやなせたかしさんに始まって、青柳裕介さんとか、黒鉄ヒロシさんとか、はらたいらさんとか、西原理恵子さんとか、いっぱい漫画家が出ています。一線で活躍している人も20人ぐらいおりますし、その他まだまだ水平線で頑張っているという人も入れれば60人ぐらいいるということです。そういう高知の漫画の文化というのを全国に売り出していくきっかけになるんじゃないかということも思いました。
ただ、やはり全国に売り出していくためには、それを受けてくれる全国の人たちにも漫画というものをもうちょっと見直していくような文化というか、土壌をつくっていかなきゃいけません。それなのに漫画というのはこれだけ生活に密着したものになりながら、なかなか高い評価を受けていない。これはやはり変えていかなければいけないと思いました。
先ほど日下さんからもこれまで学校の中でも勉強して賢そうな人が評価をされていたという話がありました。まさに偏差値なんていうのはその代表例だと思いますし、先ほど言いましたようにクラブ活動の中でも野球部などがもてはやされ、また文化活動でも合唱とか、いろいろコンクールはありますが、漫画というのはそういうような評価の場所もない。