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後ほど、佐竹さんに「高知県気質」とマンガ家の関係についてのお話も伺いたいと思います。ですが、その前に橋本知事にお話をうかがいます。ちょうどここに着任されたときに「まんが甲子園」という企画が出ました。―皆さんもうご存知で、参加されている方も多いと思いますが、―ちょうど一緒なんですね、―知事暦と、「まんが甲子園」歴と大体重なってくるんだろうと思います。が、今のように「漫画がIT革命の中核に座るべきだ」などということが取りざたされるような時代の空気ではなかった。10年前ですから、まだまだ高校生が受検勉強もせずに漫画を描いていると、何となく後ろめたいような雰囲気のあるときに、就任直後の知事がこのビックプロジェクトにゴーサインを出されたのです。

このあたりのことを、私は10年前からぜひお聞きしたいと思っていたのですが、お忙しい方なのでなかなかそのチャンスがなかったのです。今日、こういう場であればきっとお答えいただけると考え、大変喜んでいるわけです。まず、「まんが甲子園ゴーサイン」のいきさつから、お話をいただきたいと思います。

 

橋本 皆さんこんにちは、知事の橋本です。「まんが甲子園」をなぜ始めたかということですが、これはそもそも僕自身のアイデアではありません。平成3年の暮れに知事になって、早速平成4年の予算づくりというのが最初の仕事だったわけですが、そのときに職員の皆さんが積み上げてくれた次年度の事業の予定の中に「まんが甲子園」というのがありました。だからだれか職員の中でこれを提案をし、アイデアを思いついた人がいたと思うのです。

僕が「まんが甲子園」という事業を見て感じたことは、とてもおもしろいアイデアだということでした。自分はNHKという仕事から高知県庁という役所に入って、果たしてお役人というのはどういう発想で、どういう仕事をするんだろうと興味津々で入ったわけですが、「まんが甲子園」という事業が出てくるのを見て、これはなかなか期待できるなと思ったのが実感です。

 

 

 

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