つまり、「ポケットモンスター」―小さな怪物ですね。同じような想像物というものにつながっているのではないか。
本当にたくさんのキャラクターがあります。例えばやなせたかしさんは、一つの物語のなかで、アンパンマンからスタートして、「私のキャラクターの系列は世界一だ」とおっしゃるまでにたくさんのキャラクターを産み出した。タブーのない自由な発想から自在にキャラクターをつくってしまう。
先ほど、韓国ではその「宗教観」から言ってもかなりの“縛り”があるとおっしゃった。日本には【八百万の神々】というような受け入れ方があるので、どんどんイメージが膨らみ増殖する。私は、その河童とか鬼をそういうものの象徴として申し上げたのです。必ずしも河童や鬼だけに限定したのでなく、ああいう角があって、怪しげなことをするという点において、小鬼と「バイキンマン」は似ているところもあるんですね。やなせさんの設定する「悪役」には、日本の鬼の性格も含まれていると思うのです。
小野 先ほどの質問と関連して韓国の李さんにお聞きしたいんですが、お話のなかで韓国のキャラクターの話が出ましたが、恐竜のキャラクターのマンガがありますね。あのアニメの人気はいまどうでしょうか。
李 ツルリは1984年雑誌が掲載しはじめて10年間人気を保っていた作品です。それが、そのあとアニメーションになりまして、そのあとはキャラクターグッズとかファンシー産業までつながりました。いまではツルリの国というキャラクター会社もつくられています。
小野 それは韓国のなかでの人気に止まっているんですか。そのアニメが海外で放映されるというようなことはありますか。
李 海外にもテレビ用アニメーション、劇場用アニメーションそれぞれたくさん輸出しています。海外にたくさん商品として出ていますが、それはツルリがもっているキャラクター性よりは値段が安いからじゃないかと思います。