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牧野 ありがとうございます。

河童というキャラクター、先ほど「日本の伝統的な―」と申し上げましたが、少年の背丈で頭にお皿がありまして、手足の指に水掻きがあり、背中に甲羅をしょっています。皮膚は緑色で、少しぬるぬるしている。性格はおどけ者で、いたずらもするけれども、非常に律儀でもあり、必ず約束を守る。恩を忘れない。―こんな性格のキャラクターが日本の伝統的な河童です。これが、実は先ほどお話に出ました半島から、―つまり韓国からやって来て、九州八代に上陸して―というような伝説があるのすが、日本に上陸すると、たいへんな種類の「カッパ・キャラクター」になる。いま河童の人形のコレクターは2千か3千種類も集めています。それぞれの土地で姿形も、呼び名も変わり、それぞれに可愛がられる存在になっている。

先ほど日下さんが半島とか、島に“独特の何か”があるのではないか―とおっしゃった。私の解釈では―八百万の神々を受け入れる下地、先ほど「キリスト」というキーワードも出ましたが、一神教と多神教の差。―同じ河童でもそれほどにたくさんの種類をつくってしまって怪しまない。外来の妖精を受け入れて、自家薬籠中のものにしてしまう―というようなことと、何か関連があるとお考えかどうか。日下さんにその辺のご意見をいただきたい。あまりに絞り過ぎたのであれば、もう少し広げてお話くださっても結構ですが。

 

日下 韓国らしさと李さんおっしゃいましたけれども、韓国らしさで思いつくものの一つに鬼があります。韓国の人は、お正月とかいろんなときに四方八方にまじないをしますよね。日付を見て、方角を見て、そっちのほうに何とかという鬼がいて、こういうふうにお払いをするんだと聞いたことがあります。この鬼が、中国の鬼と韓国の鬼と日本の鬼とまるで違うらしいんですが、そういうところから韓国の漫画家が自分の鬼を書いたら、僕はそれはそれで世界にヒットすると思うんですけれども、そういう漫画家が出てくるところまできていますでしょうか。

 

 

 

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