いろんなベンチャー企業がキャラクターを作り出そうとすごく力は入れておりますが、これだという韓国的な民族的なものができるまでは当分時間を待ってくださったほうがいいと思います。
牧野 いまお話に出ました手塚治虫さんは、デビュー当時、弁当持参で映画館に通い、ディズニーの映画を何十回も見ました。ですから、そのキャラクターをつくる手法、技術そのものはかなりディズニーからの影響を受けているということは間違いないわけでありまして、ご本人もそれをはっきり言っています。―にもかかわらず手塚さん独自のキャラクターがそこから生まれ、それを学んだ手塚さんのお弟子さんといいますか、流れをくむ作家たちは、非常にたくさんのキャラクターをつくったのですが、それがドラえもんやピカチュウのようなキャラクターになって、世界の子供たちに受け入れられる。
―先ほどから繰り返して言いますように、「なぜか」ということを、ここにいらっしゃる皆さんもお考えになっていると思うのです。呉さん、どうでしょうか。世界の子供たちが、「これを見なさい」「これに興味をもちなさい」と言われなくても喜んでそのキャラクターグッズを買ったりします。キティちゃんなんて、これ以上単純にはできないというほどに単純化されたキャラクターですが、呉さんはどういうふうに受けとめていらっしゃいますか?―ミッキーマウスとキティちゃんやピカチュウとは差があるのでしょうか。それとも、まったくそれは差がなくて、たまたま日本の作品の量が多いというようなことで受け入れられているのか、―どうお考えでしょうか?
呉 特に子供の世界は大人と違って、キティちゃんとかミッキーマウスとかソーナカルタを、靴を買うときに頭のなかでこれは日本製かアメリカ製かまったく関係ないです。ただ、テレビ見たから、ビデオゲームで遊んだからおもしろいと思って買うんですね。
牧野 李さんはどうお考えになりますか。