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こういう話を伺って思ったのですが、大陸と島国の間に半島があるわけですね。では半島はどっちのやり方でいくのでしょうか。これは韓国の人自らがお答えを出していただきたいわけです。両方ができる、あるいは両方ができない、両方に挟まれている、両方を見ている、両方に影響されるアイデンティティの問題。どんな韓国マンガが誕生するのか楽しみです。

では、日本は何を出したのか。先ほどから出ているように、たくさんの漫画家がたくさん描いていますから、別にどれと言えないわけです。全部まとめて日本だと。日本の心だと。それを受け取る地域があり、受け取らない地域があるが、子供は世界中受け取るらしい。そのようなことに興味を持ちました。

 

牧野 ありがとうございます。

李さん、先ほど日本のマンガ・アニメーションに大きな影響を受けて、いまや韓国の大学に42のコースが設けられたと報告されました。そして、影響を受けると同時に、韓国独自のものをつくりたい、韓国の方々の自負心を代表するような作品をつくりたいと言われました。現在、何か具体的な作例が生まれつつあるでしょうか。

 

李 いま42科、コースがつくられてはいますが、それが全部韓国的なものを作り出そうということでは決してありません。特に、アニメーションというのは、投資金額がすごくたくさんかかりますので、韓国というすごく制限された小さい市場だけを狙ってモノをつくるということは、あまりおもしろくないと思います。

韓国が抱えている大きな問題は、どのようにして韓国のコンテンツを世界に向けて出していくのかということです。また、その一方で、いかに韓国的なものを作品に生かしていくのかということも大きな問題です。他の国から見て、真似することができない韓国独自なものを作り出すこと。

例えば、韓国の昔話にホンギリトンという将軍がでてきますが、そういう人物をしたマンガをつくる。

 

 

 

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