これはシンガポールテレコムがつくったドラえもんのテレホンカードです。これはキティちゃんのポケットベルと電話です。シンガポールの高島屋と豪華客船はセーラームーンのナイトショーを行い、人気を集めました。
結論ですが、最近、アジアにおける日本マンガとアニメの伸び率は緩慢です。国によっては横ばい現状も見られます。「スラムダンク」と「ドラゴンボール」の連載が終ってから、市場を支える超人気作品はまだ現れていません。これからシンガポールの日本のマンガとアニメはどうなるでしょうか。私は楽観的な見方をしています。シンガポールにおける日本のマンガとアニメの発展の余地は大きく、成長し続けるだろうと予想できます。日本のマンガとアニメはもちろん、日本の大衆文化もこれからもっと東南アジアのなかに広がるだろうと考えられます。実際どれほど発展できるかは、地元のテレビ局がもっと日本のアニメを放送するか、政府の検閲が緩くなるか、もっと日本のマンガの英語版とマレー語版が輸入されるかといったような条件次第です。私たちは、日本のマンガとアニメの今後アジアにおける発展を楽しみにしています。以上です。
野崎 それではパネルディスカッションをはじめさせていただきます。
パネリストを紹介させていただきます。本フォーラムの座長をやっていただいております京都精華大学の牧野先生、東京財団会長の日下公人、李先生、呉先生。パネリストは以上の4名ですが、会場の皆さんからも闊達なご意見をいただきながら、全員でパネルディスカッションをするというようなイメージで進めていきたいと思います。
では、先生、よろしくお願いいたします。
牧野 いま、お二人の先生に大変興味深いお話を伺いました。これは、日下さんがフォーラム当初からおっしゃっている内容をさらに強く裏づけしているようにも思います。
まず、お二人のお話をうかがっての感想を日下さんからお聞きしましよう。